日本証券協議会が2017年度の税制改正要望を提出
2016/09/28
日本証券協議会は2017年度の税制改正について、「上場株の相続税の評価を現状の時価から9割程度に引き下げ、優遇措置を不動産のように受けられるようにすること」を要望した。現在、株の相続税は、株保有者が死亡した日の時価で算出することが決められている。そのため、死亡日から納税日の間に株価が下がる可能性があることから、納税者は資産価格の下落リスクを抱えている状態だ。
最近は納税のために株を売却しなければならなくなるケースが増えていることから、“株離れ”を引き起こす一因になっているとの意見が出ていた。また、日証協は、未成年者向けのジュニアNISA(少額投資非課税制度)の引き出し制限緩和もあわせて要望した。現在は18歳になるまで資金を引き出せないことが原則になっているが、緩和することでジュニアNISAを浸透させる狙いがある。実現した場合は、中学校や高校の入学金などにNISAの資金を充てられるようになる。
編集部からの一言
現在、土地の相続税は「地価(時価)の80%で算出する」などの優遇がある。今回の税制改正要望は「土地と同様に“価格変動”する株なのだから、同様に優遇を……」という理論だろう。日証協の会長は「税制改正要望が認められれば、株式を保有し続ける動機にプラスに働く」とのコメントを発表した。この改正が実現した場合、シニア世代を中心に「貯蓄→投資へ」というサイクルが動き出すか、というところも今後の注目ポイントだ。
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