若手経験者は何を見て応募企業を決めているのか

若手経験者は何を見て応募企業を決めているのか

税理士法人や会計事務所で経験を積んできた若手税理士や科目合格者が、次のキャリアを目指して転職を考えるとき、どのような視点で応募する企業を見定めているのでしょうか。未経験の若手税理士や科目合格者とはまた違った「転職の決め手」があるのでしょうか。今回は、若手経験者が転職先を検討する上で重視するポイントや、意思決定のプロセスについてご紹介します。

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若手転職者は、応募先のどこを見ているか

未経験者は「自分を受け入れてくれるか」という視点で応募先を見る

晴れて税理士試験に合格し、実務未経験で転職先を検討するケースと、すでに税理士法人や会計事務所での勤務経験がある税理士や科目合格者が転職先を検討するケースとでは、応募先を選ぶ視点に違いはあるのでしょうか。

実務未経験で転職先を検討する場合、応募者の多くが「初めて実務に就く自分を受け入れてくれる事務所はあるだろうか」という視点で、求人を探していきます。未経験のため、実際にどのような業務に携わるかイメージがしづらく、「未経験だし、それほど求人は多くないだろう」と思いがちです。

そのため、「未経験でも可能な求人」を探し、「自分にも受けられる会計事務所があったら、まずは受けてみよう」という姿勢で転職活動に臨むのが、未経験者の一般的な傾向です。

若手経験者は、これまでの実務経験を踏まえて応募先を詳細に検討する

対して、若手経験者はすでに会計事務所や税理士法人で実務を経験しています。そのため、勤務先での経験を踏まえて、「こんなことに携わってみたい」「こんな働き方ができるようになりたい」など、転職先に対して明確な要望を抱くようになります。

では、若手経験者は具体的にどのような視点で応募先を検討しているのでしょうか。若手経験者が転職先の意思決定をする際、重視する条件はあるのでしょうか。

次の項では、若手経験者が転職活動においてどのように意思決定をしているのか、具体的にご紹介します。

若手経験者が求人選びで重視する3つの条件

「残業時間」「年収」「キャリア」を重視する

若手経験者が転職先を検討するうえで重視するポイントは、3つあります。一つは「残業時間」、もう一つは「年収」、3つ目は「キャリア」です。ここで注意したいのは、これら3つのポイントを「ロールモデルがいるかどうか」という基準で、見極めている点にあります。

たとえば「残業時間」。よく、「残業はあまり多くありませんが、担当する案件によって多少の差が出てきます」といった対応をされる採用担当者様がいらっしゃいますが、このような返答を受けた際、若手経験者はどのように感じるでしょうか。「たとえ残業が少なくても、忙しい案件を担当している先輩がそばにいたら、早めに退社しづらくなるのでは」といった心配をされるかもしれません。

この場合、「案件によって残業時間に多少の違いはあるものの、科目試験を控えている若手スタッフは通常より早めに退社しています」「20代のスタッフの残業時間は平均●●時間程度です」など具体的な例を挙げると、若手経験者は転職後の働き方をイメージしやすくなり、「応募したい」という意志・意欲が高まります。

「年収」も同様です。入社時の年収だけでなく、3年後、5年後など、経験を積むことでどの程度の年収が見込めるのか、若手経験者に近い事例を紹介することで、応募への意欲が一気に高まります。

「キャリア」に関しても、たとえば「チャンスがあれば、国際税務にもチャレンジしてみたい」という意欲をもった若手経験者に対して、「国内企業の申告業務に携わりながら、スポットで国際税務の案件を担当した若手スタッフがいます」「国内税務から国際税務部門に異動したスタッフがいます」など、具体的な例を紹介することが大切です。

このように、若手経験者は希望する働き方が叶うかどうかを、「ロールモデル」を通してシビアに見極めていきます。なかには、「残業は少ないと言っているが、ロールモデルがいないから」という理由で、転職をあきらめてしまう若手経験者もいるくらいです。そのため、具体的な事例を取り上げながらロールモデルとなるような人物がいると伝えることが、採用を成功に導く大きなカギとなるのです。

面接でも、若手経験者はシビアに応募企業を見定める

「残業時間」「年収」「キャリア」に加えて、もう一つ、若手経験者が転職への意思決定をする大きなポイントがあります。それは、「面接時の対応」です。

たとえ若手経験者が「望む働き方ができる」と評価した事務所であっても、面接時の対応次第では、入社への意欲が一気にダウンしてしまうこともありうるからです。面接は、応募者と企業が顔を合わせ、お互いを理解する場です。一方的に事務所のことを話していると、若手経験者は「自分に興味がないのかもしれない」と感じるかもしれません。

面接官が応募者の話をよく聞き、双方向の「対話」をして互いが理解を深めることで、若手経験者は「丁寧に対応してくれた」という印象を抱きます。そして、面接官の対応から、その事務所ならではの「社風」を感じ取り、「人を大切にする風土が根付いているのかもしれない」「顧客に対しても、丁寧な対応をしているのだろう」と印象がさらに高まることも十分にあり得ます。

マイナビ税理士でも、「面接時の対応が良かったから」という理由で即決された事例があります。中には、複数の事務所を比較・検討した際、「他の事務所より条件は悪いが、面接でとてもよくしていただいたから」と、志望度の低かった事務所に決められたケースもあります。面接の対応次第で、応募者の志望度が逆転することもあるのですから、面接の対応がいかに重要かおわかりいただけると思います。

選考から入社までの対応が一貫して丁寧であるか

もちろん、面接以外のプロセスにおいても丁寧に対応することも大切です。たとえば、諸条件通知書。「休日休暇:法定通り」「年俸:●●●万円」とシンプルに書かれた諸条件通知書と、詳しく記載された諸条件通知書では、与える印象が大きく異なります。

特にご結婚されている応募者の場合、諸条件通知書をご家族に見せることもあります。細かな条件まで記載された諸条件通知書であれば、応募者も安心して家族に見せることができるでしょう。

若手経験者がネガティブな印象を抱かない配慮を

求人票に掲載する内容

次に、採用のプロセスにおいて、若手経験者がネガティブな印象を抱いてしまいがちな対応についてご紹介します。

第一に、注意していただきたいのが「求人票」に書く内容です。書き方次第でネガティブな印象を抱かせてしまうことがあるので、注意しましょう。たとえば「残業時間」。「月40時間」と書いてある求人票と、「繁忙期は月40時間程度、閑散期は月1~2時間」と書いてある求人票では、抱く印象が異なります。業務内容も「申告業務全般」と書かれた求人票よりも、「法人税に加えて、相続税や事業承継などのコンサルティングもあります」といった具合に、より具体的な情報が書かれた求人票のほうが、良い印象を与えることができます。同じ条件でも、書き方次第で印象が変わることを踏まえて、「ネガティブにならないような書き方」「ポジティブな印象を抱いてもらえるような書き方」をすることが大切です。

面接時間が短いと、ネガティブな印象を与えてしまうことも

前述の「面接」も、対応次第ではネガティブな印象を与えてしまいます。ムスッとした表情でふんぞり返った態度の面接官と、笑顔でやさしい対応をする面接官。比べるまでもなく、前者はネガティブな印象を与えてしまうことでしょう。

実は、面接官の対応だけでなく、面接時間の長さによる印象の違いもあります。面接時間が短く、「実はこの後、お客さんと打ち合わせがあってね……」と、あわただしく面接を終えられてしまうと、応募者は「せっかく準備してきたのに、自分に興味がないのだろうか」と悪い印象を抱いてしまうことも考えられます。

ネガティブな印象を与えないためには、ぞんざいな対応をせず、時間をかけて応募者とじっくり向き合う姿勢が何よりも大切です。

より良い人材を採用するために、何よりも大切にしてほしいこと

マイナビ税理士は、採用活動の強力なパートナー

これまでご紹介してきたように、若手経験者は「次の転職先で叶えたいこと」を明確に抱き、主に「残業時間」「年収」「キャリア」の3つの軸を中心に応募企業を見定め、面接時の対応なども踏まえたうえで、転職先を決めています。しかし、多くの場合、複数の事務所を比較・検討したうえで最終的な判断を下すため、「他の事務所ではなく、私たちの事務所を選んでもらえるように」という意識をもって採用活動に臨まないと、内定承諾が得られないこともあります。

マイナビ税理士では、採用担当者様に寄り添いながら、求める人材を採用できるよう採用活動を支援しています。求人票に記載する内容や面接時の受け答えはもちろん、応募者が複数の事務所を比較・検討して迷っている際の対応も含めて、採用のすべてのプロセスをフォローさせていただいています。

実際、「なぜ、良い人材が集まらないのだろうか」「せっかく良い人材と出会えたのに、なぜ内定承諾を得られないのか」など、採用に関する課題を感じている採用担当者様はたくさんいらっしゃいます。

マイナビ税理士は採用がうまくいかずに悩んでいる採用担当者様のお気持ちに寄り添いながら、より良いマッチングができるよう全力で支援しています。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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