税理士の
年齢別
転職事情
税理士は何歳まで
転職可能?
転職可能?
税理士業界は、転職における「35歳限界説」にあまり左右されず、
ポテンシャル採用を期待できる20代だけでなく、50歳を超えても転職が可能です。
しかし、それはあくまで全体像であり、年齢や経験によって採否は左右されます。
ここでは、年齢ごとの転職事情や求められるスキルについてご紹介しましょう。
税理士の転職事情
転職する際に一番気になるのは、やはりその業界の転職事情です。
まずは、税理士業界の市場感や税理士のキャリアイメージ、年齢別の転職状況などについて解説します。
税理士業界の市場感
税理士に限らず、転職で気になるのは「売り手市場か買い手市場か」という点です。業界がどちらに振れているかで、転職の難度が変わります。
幸い、2020年3月時点では、税理士は売り手市場が続いており、じっくりと自分にマッチした税理士法人を探すことができました。売り手市場である理由はいろいろと考えられますが、税理士試験を受ける人が減っていることや、起業が増えたことでクライアントの数が増えていることが挙げられます。
なお、会計士業界では新型コロナウイルス感染者が出るなどしており、税理士業界にも影響が出ないとは限りません。今後の動向については、注意が必要でしょう。
また、「今後、税理士はAIにとって代わられるかもしれない」と懸念する人もいるかもしれませんが、すべての仕事をAIができるようになるには、まだまだ時間がかかりますし、中小企業の経営者の課題を聞いて親身になってお手伝いするのは、人間だからできることだといえます。
税理士のキャリアイメージは2つ
年齢を問わず転職のチャンスがある税理士は、キャリアイメージが大きく2つに分かれます。
目指すキャリアによって就職先が左右されるため、自身がどちらのキャリアになるのかを把握しておきましょう。
学生時代から税理士を目指す
学生時代から税理士を目指す場合、BIG4と呼ばれる税理士法人(PwC税理士法人、デロイト トーマツ税理士法人、KPMG税理士法人、EY税理士法人)に入れるケースがあります。しかし、学生の場合は、公認会計士の資格があれば税理士の業務も行えるため、税理士ではなく公認会計士を目指すケースも多いでしょう。
また、専門学校で税務を学び、税理士を目指すケースもあります。この場合は、町の税理士法人で経験を積み、キャリアアップを目指すケースが多いようです。もちろん、専門学校からBIG4に行くケースもありますが、3科目以上の科目合格が求められるなど、条件はきびしくなります。
他業種の経理などから
ジョブチェンジする
公認会計士の場合は、学生時代から目指す人が多いのですが、税理士の場合は、一般企業で経理を担当していくうちに、税理士を目指すようになるというケースも多くあります。この場合、一定の学歴があれば、BIG4への転職も可能です。そうでない場合は、町の税理士法人や中堅クラスの税理士法人から税理士のキャリアをスタートすることになります。
税理士の年齢別の転職状況
次に、年齢別の転職事情を見ていきましょう。
年齢によって、求められるスキルや経験などが大きく変わりますので、転職を考える際は状況をきちんと把握しておいてください。
20代から
30代前半
税理士が売り手市場であることも手伝って、20代から30代前半であれば、未経験でも転職が可能です。税理士になるためには全11科目中5科目で合格する必要がありますが、「5科目合格してから」と考えて、年齢を重ねてしまうのは得策ではありません。2、3個の科目合格で就職し、働きながら全科目合格を目指すほうがいいでしょう。
30代後半
から
40代以上
税理士業界は30代後半から40代以上でも、十分に転職のチャンスがあります。ですが、30代後半以降は実務経験を重視する傾向があるので、税理士の資格を取得していても未経験者はハードルが高くなります。
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転職に有利となる、
税理士に求められるスキルは?
税理士の転職事情を年齢別にご紹介しましたが、条件を満たしていても必ず合格できるわけではありません。
ここでは、税理士として採用されるために有利となるスキルについてご紹介します。
対人スキルは必須
税理士は、クライアントとコミュニケーションしながら仕事を進めます。ですから、就職希望者に「対人スキル」があるかどうかは、採用の基準のひとつとなるでしょう。そもそも、税理士に必要なスキルに「論理的思考」がありますが、頭の中できちんと考えられても、それをクライアントに伝えられなければ意味がありません。
また、売上やコストなどをもとに経営者にアドバイスする場合も、コミュニケーション能力が低ければ、相手の信頼を得ることは難しいでしょう。
英語力はなくても大きな問題はない
公認会計士の場合、企業のグローバル化などに伴い、英語力が求められる傾向があります。しかし、税理士の場合は、外資系企業を目指したり、国際税務を希望したりしなければ、英語力は特に必要ありません。ですから、すでに英語のスキルがある場合は、それを活かせる転職先を選んで活用するべきですが、税理士の転職を成功させるためだけに英語を学ぶ必要はないでしょう。
税理士の転職活動を成功させるためのポイント
年齢や対人スキルなどの条件をクリアしていれば、税理士として転職に成功できる可能性が高まります。
しかし、「転職活動に成功する」とは、単純に「採用さえすればいい」というわけではありません。
自分にとって最適な条件がそろった税理士法人でなければミスマッチが起きてしまい、
数ヵ月後には再び転職活動をすることになりかねません。
ここでは、税理士の転職を成功させるためのポイントをご紹介します。
自分のビジョンとマッチした税理士法人を探す
転職活動を成功させるには、税理士としての自分のビジョンと、税理士法人の強みがマッチしているかどうかが大切です。税理士法人の強みや方向性は、会社のウェブサイトや求人サイトの情報だけでは判断がつきにくいことがあります。これは、税理士法人の業務が既存の顧客からの紹介で拡大することが多いため、税理士法人が得意とする分野が偏りやすく、外からではそれが見えにくいからです。
前述したように、税理士は基本的に売り手市場ですから、どの税理士法人が自分のビジョンとマッチしているかを探すために、たくさんの税理士法人を受けるという方法もあります。これは、マッチする転職先を探すという観点だけでなく、多くの採用を得るという意味でも有効な手段なのです。
なお、効率的に自分のビジョンにマッチした税理士法人を探したい場合は、転職サービスに登録してキャリアアドバイザーに相談するのもひとつの方法です。
面接で失敗しないためには
キャリアアドバイザーのフィードバックを活用する
自分のビジョンにマッチした税理士法人が見つかること以外にも、転職サービスを活用するメリットはあります。それが「面接対策」です。ここでいう面接対策とは、「きちんと挨拶をする」「身だしなみを整える」など、面接一般の注意点ではありません。各種転職サービスでは、不合格になった場合に「何がいけなかったのか」を、キャリアアドバイザーからフィードバックしてもらえるのです。
これは、キャリアアドバイザーが紹介した求職者が不合格になった場合に、税理士法人に不合格理由を尋ねるからわかることで、個人で転職活動をしていた場合は知りえない情報でしょう。求職者と税理士法人のミスマッチであれば仕方ありませんが、そのほかの理由で不採用になったのであれば、改善に結び付く手掛かりを得られるかもしれません。
例えば、一度不合格になっても、理由がわかれば同じ税理士法人を再度受けることも可能です。もし、「科目合格数が少ない」などの理由で不合格だった場合は、条件を整えてから希望する税理士法人に再挑戦してもいいでしょう。