税理士などの専門家が、相続を演劇で伝える「相続一座」を立ち上げ
2018/02/23
コラム
税理士などの専門家が、相続を演劇で伝える「相続一座」を立ち上げ

高齢化社会を迎えている日本では、「相続問題」が増加しているといわれています。

なんとも悲しい骨肉の争いである相続問題ですが、そんな相続を明るく前向きに捉えて啓蒙活動を行っている団体があるそうです。

一体、どんな人たちなのでしょうか?

税理士・司法書士などによる劇団「相続一座」

相続問題の重要性を高齢者やその家族に伝えようとする集団があります。
その名も「相続一座」。

神戸市内を中心に活動するこの一座は、税理士や司法書士などからなる劇団で、「相続って難しい・取っつきにくい」という世間の声に応えるべく立ち上げられたそうです。昨年は関西テレビの番組「よ~いドン!」に取り上げられ、「となりの人間国宝さん」に認定されるなど、一部で話題になっている人たちです。

メンバーの大もとをたどると、たどりついたのは税理士、司法書士、不動産鑑定士などのさまざまな専門家が相続について学び合う研究会「相続応援団」。神戸市内にある、あいき不動産鑑定株式会社で相続問題に関する無料定例会を開催しているそうです。

そんな相続応援団が立ち上げた劇団「相続一座」では、「どうせ観るなら楽しく! わかりやすく!」をテーマに、20分でわかる相続劇を上演しています。

あらすじを見てみると、「おもちをノドに詰まらせてあの世に旅立とうとした、仲間由紀江ばあちゃん。でも……逝けそうにありません。少々頼りない息子と気の強い娘が残された財産で揉めはじめてしまったからです。専門家のアドバイスを受けたり、話し合いを重ねます。さて、由紀江は心残りなくあの世へ逝けるのでしょうか……?」。これは、なんだか見てみたくなりますよね。

増加する相続問題に対して、「元気なあいだに家族みんなで相続について気軽に、そして世代を超えて財産を守ることや有効活用について真剣に話し合って欲しい」という願いを込めて上演を続けているそうです。

<ココまでのまとめ>
・相続を専門に演劇を行う劇団「相続一座」が存在する。
・「どうせ観るなら楽しく! わかりやすく!」をテーマに、20分でわかる相続劇を上演。

相続税対象者はどの程度増えている?

相続一座では、演劇の後に観客との相談&交流会を設けているそうですが、ここで気になるのが、相続税問題はどの程度増えているのかということです。

国税庁が公表している資料「平成28年分の相続税の申告状況について」によると、平成28年中(平成28年1月1日から平成28年12月31日)に亡くなられた方から、相続や遺贈などにより財産を取得した方についての相続税の申告状況の概要は、次のとおりとなっています。なお、平成27年1月1日以後の相続などについては、平成25年度税制改正により、基礎控除額の引下げなどが行われています。

・被相続人数をみると、平成28年中に亡くなられた方(被相続人数)は約131万人(平成27年約129万人)、このうち相続税の課税対象となった被相続人数は約10万6千人(平成27年約10万3千人)で、課税割合は8.1%(平成27年8.0%)となっており、平成27年より0.1ポイント増加しました。

・課税価格は、課税価格の合計は14兆7,813億円(平成27年14兆5,554億円)で、被相続人1人当たりでは1億3,960万円(平成27年1億4,126万円)となっています。

・税額は、税額の合計は1兆8,681億円(平成27年1兆8,116億円)で、被相続人1人当たりでは1,764万円(平成27年1,758万円)となっています。

また、平成27年に新たな相続税制が実施されたことで、平成27年から急激に課税対象被相続人数や課税価格が増加していることも付け加えておきます。

今後も高齢化により、相続税の問題はますます増加することが考えられます。

<ココまでのまとめ>
・高齢化により、被相続人数が増えている。
・平成27年の新相続税制により課税価格も増加している。

実際にある相続トラブルとは?

最後に、実際にあった相続トラブルをいくつか紹介します。

ちなみに、相続問題で揉めたことがある親族にアンケートをとったところ、約7割が「修復は無理」と考えているというデータがあるそうです(日本法規情報「相続トラブルに関する実態調査」2015年6月公表)。

<不動産はもらえても、相続税を払う現金がない!>

親が亡くなる前に遺言書で「長男には不動産、次男には現金を渡す」と明記している――一見するとこれで問題がないように思えてしまいますが、当然、不動産も現金も、相続した場合はそれに相続税がかかります。

次男はもらった現金から相続税を支払うことができますが、長男はもらうのは不動産だけなので、相続税は自分の貯金から払わなければいけません。それができずに、やむなく不動産を売るというケースがあります。それに掛かる時間もお金もまた本人持ち。「これでは不公平だ!」と揉めるケースがあるそうです。

<子どもがいなくてもトラブル発生>

子どものいない夫婦で、夫が先になくなりました。妻はそのまま2人で住んでいた家に住み続けようとしましたが、夫の兄弟が遺産分割を求めてきました。法律に基づき、夫の兄弟は法定割を主張することができるのです。

結局、それを支払うためには妻は自宅を売るしかなく、アパート暮らしに……。かわいそうな結果になってしまいましたが、これは夫が生前に「妻に全財産を相続させる」と遺言書に明記しておけば避けることができたケース。遺言書は大切ですね。

<ココまでのまとめ>
・相続税で揉めると、約7割が「修復不可能」と考える。

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