マイナビ税理士は皆様のお役に立てる情報をお届けいたします。

マイナビ税理士は皆様のお役に立てる情報をお届けいたします。

マイナンバーと税理士業界――
対応が遅れるとクライアントが【架空人件費】調査先に選定される?
2015/12/7
コラム
マイナンバーと税理士業界 ――対応が遅れるとクライアントが【架空人件費】調査先に選定される?

平成27年秋。マイナンバー通知カードが発送され、平成28年からマイナンバー制度の本格運用が始まります。

税理士業界もクライアントの制度対応支援に追われていることでしょう。では、もしもクライアントが対応に遅れた場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。

マイナンバーを提出しなかったら?

クライアントの事業所に本来申告義務がありながら無申告だったり、収入を隠して生活保護を受給していたりと、とにかく収入があることがばれると困る従業員がいると仮定します。その従業員のために経営者がマイナンバー不明で、空欄の源泉徴収票を作成したらどうなるのでしょうか。

または、経営者自身が「私はマイナンバー法の施行には絶対に反対だ!」と、全従業員のマイナンバーも事業所のマイナンバーも一切記入せずに、すべての税務申告書類を提出したらどうなるのでしょうか。

実は、いわゆるマイナンバー法(共通番号制度法)では、今のところ罰則は無いようです。しかし税理士が何より気になるのは、罰則が直接無いとしても、税務調査のリスクを倍増させるのではないかという点です。

あるべきマイナンバーが無い書類=見るからに怪しい!

始まってみなければわかりませんが、来年からどれ程の企業がマイナンバー制度に対応することができるのでしょうか。おそらく大企業は当然、きちんと対応することができるでしょうし、大半の中小企業もそうすることと思います。

そんな中、収入がばれて困る従業員がいる経営者や、「反対!」と叫ぶ経営者たちが、マイナンバー記入欄を空欄で税務署に提出したらどう思われるでしょうか。

税務署には、きちんとマイナンバーが記載してある様式の整った大多数の書類と、なぜかマイナンバー未記入の少数の書類が届くことになります。

皆さんが税務調査官だとしたらどう思いますか? 何をどう考えても、マイナンバー未記入の書類は怪しいと思いますよね。表に出せない、隠したい、だからマイナンバーを記載しない人件費なのではないかと感じてしまうことでしょう。架空人件費の臭いが漂ってきます。

仮に架空人件費ではないとしても、支払を証明できない給与である可能性も大いにあります。証明できない給与ということは、実際に払っていようがいまいが調査官としては知ったことではありません。指摘すれば架空人件費認定ができるということです。いとも簡単に追徴できそうな調査先に見えませんか。

クライアントのマイナンバー対応は税理士の使命

確信犯的な脱税者が片っ端から税務調査に入られたり、追徴を受けたりするのは当然としても、いたたまれないのは真面目なのに少しずさんな方、制度を知らなかった方、そのような方が巻き込まれることです。

仮に、悪気なく、マイナンバー対応が単に遅れただけのクライアントの申告書が、先程述べた「少数のマイナンバー未記入の書類の山」に紛れ込んだらどうでしょう。

本当に怪しい先の書類と、まったく見分けがつきません! 調査先に選定される可能性は間違いなく高まってしまいます。

このように、現段階では無視しても罰則のないマイナンバー制度ですが、クライアントが税務署から「脱税者グループ」「架空人件費だらけのグループ」に見られてしまいかねません。そのためにもマイナンバー制度対応を支援することは、税理士として今年の最重要課題の一つかもしれません。

岩永 龍太郎(いわなが りゅうたろう)

1983年生まれ。高校卒業後、複数の税理士事務所勤務を経て26歳で税理士試験合格。
2010年、27歳で独立開業。現在、九州北部税理士会若松支部最年少税理士。
中小企業の税務顧問に加え、クライアントの資金調達支援・税務調査対応、決算書分析・税務申告実務に関する講演業務など幅広く活躍中。
税務・会計ニュースを取り上げたブログ型ウェブサイト(iwanaga-tax.com)は、年間60万件以上のアクセスがある。

バックナンバー 一覧
税理士業界コラム 一覧へ
マイナビ税理士を詳しく見る
税理士の転職・求人・募集|マイナビ税理士

TEL:03-3538-6218 平日9:30-20:30|土曜日9:30-17:30(日曜・祝日を除く)

今すぐ転職サポート申し込み

簡単無料

アクセスマップ